パンクロッカーがアジアンヒップホップ88rising公演に行ってみた①
一言で言うと、新しい時代の到来を感じたよ。
(2016年に行った、カナダ・モントリオールのライブスペースLOUDHOUSEの壁。
彼らがこの曲でラップしている通り、中国はTwitterもインスタもフェイスブックも統制されていて自由に使えない国だ。(Youtubeも。) それなのに、今のヒップホップの主流のトラップというビートでラップしているし、英語も流暢に話せるのは凄いよね。 Higher Brothersやその所属団体88risingのことを知ったのは、同じく88risingに所属している韓国のラッパーKeith Ape(キース・エイプ)のMV "It G Ma"(イッチマ:忘れるな)を観たことがきっかけ。キースはマッコリの瓶を持って暴れ散らしてて、MV全体に漂う手作り感もカッコいいな~と思った! 2015年の正月にこのMVがYoutubeにアップされて、アジア人でトラップをやる奴がいるんだとバズったらしいけど、私がKeith Apeのことを知ったのは2016年。2015年の初めといえばちょうどソウルに遊びに行ってたから、もし知ってればKeith Apeが所属してたクルーCohortのメンバーのライブなんぞ行きたかったなと思う所存です。
Keith Ape(feat. JayAllDay, Loota, Okasian & Kohh) "It G Ma"
で、なんでKeith Apeが出てる"It G Ma"を観たかというと、このMVの最後に日本人ラッパーのKOHHが出てくるから!テニスプレイヤーの大坂なおみが、この曲のKOHHのヴァースを聴いて日本語を勉強してると言ってた(秀逸なリリック"やりたくないことやってる暇はねぇって言ってたマーシー/田代じゃない" のマーシーと田代が何者かはわからないと思うけど)くらい、このMVをきっかけにKOHHは海外でも知られるようになったそう。
KOHHは、ロック周りでも好きな人が多いけど、他の人がやったらダサく聞こえるんじゃないかと思うくらいストレートな日本語でラップするから、すごくわかりやすい。 日本でのトラップ先駆者とかファッションやタトゥーがイケてるとか、評価されてる理由はいろいろ挙げられるけど…個人的には、己を貫いてる感じがカッコよくてチェックしてる。88rising所属ではないようだけど、今回JojiとNikiが来日キャンセルになった代打を務めるのに最適なアーティスト だったと思う。
私はパンクやガレージロックを好んで聴いてきた人間で、別にヒップホップのヘッズではない。どっちかというと、ヒップホップ周りってオラついてる人が多そうで抵抗あったし、音楽的にもストライクというわけじゃなかった。でも、トラップという種類のビートは、カッコいいと感じてすんなりと受け入れることができた。ゆるい感じが「ダサカッコいい」オルタナ~ガレージ的な価値観で耳に入ってきたのかもしれない。
そして、そのトラップでラップするアジア人、特にHigher Brothers, Keith Ape, KOHHをパンクロッカーのような気持ちで私は見ているのである。(つづく)
0コメント